パーパス(Purpose)?

ここ3~4年前から、「パーパス(Purpose)」という言葉を目にする機会が増えてきました。2019年3月に『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』で特集されたことをきっかけに注目され、同誌の2020年10月号で再度特集が組まれ、企業理念的な位置づけだけでなく、マーケティングやブランディングの視点から、これらを活用することが紹介され、より広まりを見せています。

ただ、「パーパス」という言葉自体が、あまり日常では出てこない言葉なので、意味が直感的にはつかめず、それらの定義を求めてWeb検索をされている方も多いのではないでしょうか。このサイトもそれらの検索中に偶然ご覧いただいているかも知れません。

「パーパス」は、企業サイトや個人ブログなど含めてあちこちで解説され、事例なども書かれているサイトもあります。しかし、それらを読んでもよくわからないとお思いの方の少なくないのではと思います。

その背景には、まだ明確な定義があるわけではなく、有識者をはじめ、いろんな人が自分の考えを組み入れて説明をされているようなので、自分の主義主張であったり、定義ではなく比較や否定から説明をしたりで、いろんな視点が書かれていることがその要因かと思います。

それらについて、客観的にそういう考え方もあるのかと考えながら読むと参考になりますが、定義を求めて読んでも混乱するわけです。

『ビジョナリー・カンパニーZERO』

『ビジョナリー・カンパニーZERO』という書籍が、2021年8月に発売されました。ご存じの方も多いかと思います世界の超ベストセラーシリーズ『ビジョナリー・カンパニー』。さらにそれが発行される前の1992年にジム・コリンズが記し、当時 日本語訳されなかった名著『Beyond Entrepreneurship』の改訂版の日本語版で、ビジョナリー・カンパニーの原点ともいうべき書籍です。

この改訂版で「パーパス」についても書き加えられています。
この書籍ではパーパスはビジョンの一要素をなすもので、「存在意義」と考えてよいのですが、MVVと呼ばれるミッション、ビジョン、バリューとの関係を読み取ろうとすると混乱すると思います。そもそもビジョナリーの「ビジョン」は、MVVのビジョンとは異なる解釈であり、ミッションも同様にこの書籍では異なる解釈です。つまり、ミッション、ビジョンを勉強をされている人ほど読めば読むほど混乱してしまう可能性があるのではないかと思います。これらに出てくる用語が知っているものでも、自分の理解している定義と違った意味で使われていることを前提に、読み替えながら理解する必要があります。

※パーパス・コア アカデミーでは、企業経営者やこれから起業する人を対象に、この書籍の活用、実践法を取り上げていきます。

パーパス・コア(Purpose core)

ここでは、まず「Purpose(パーパス)」はシンプルに「目的/なぜ?何のため?」と読みかえ、何かに取り組むときには、目的意識を持ち、「何のために?」を考える目的思考を実践する、つまり「パーパスをコアにおく」考え方、思考法が、「パーパス・コア(Purpose core)」です。

これらは長年の人材育成やコンサルティングにおいて実践し、実績を積んできたもので、ロジカルではありますが、理論よりも実践シーンにフォーカスした思考実践法です。

※ミッションやビジョンとの関係についても明確に定義をしています。これらは、すでにいろいろ学ばれている皆さんを混乱させてはいけませんのでここでは押し付けはしません。これを機会にこれからちゃんと学ぼうと思われる方は、ぜひパーパス・コア アカデミーにご参加ください。

「自分らしく自分をプロデュースする」「自社らしく自社をプロデュースする」

企業を経営している人、これから起業をしようとしている人、さらに、将来の仕事について考えたり、自分らしく生きることを考えようとしている人には、これらは重要なキーフレーズです。

それらのためには、「パーパスをコアにおく」ことがとても大事になってきます。

企業において、社内のモチベーション向上や、人材採用の精度向上、事業戦略やマネジメント、マーケティングにおいててとても重要なキーであるとともに、起業や自分の人生(ワーク&ライフ)をデザインする際にも、とても重要な実践思考です。

先の見えにくい時代に、右往左往せず、自社や自分ならではのコアを軸に進んでいくためにキーとなる考え方です。ビジネスブランディングやビジネスプロデュース、そしてセルフブランディングやセルフプロデュースのために、このパーパス・コア思考法がますます重要となる時代が到来しています。